ここではシュタイナー教育がどのようなものか。
またシュタイナー教育をわかりやすく説明しているおすすめ本を紹介します。
シュタイナー教育はドイツで生まれたオルタナティブ教育です。
そのオルタナティブ教育のシュタイナー教育は、今や世界で注目されているモンテッソーリ教育と並ぶ代表的な実践教育です。
なぜ世界的に注目される教育となっているのか?
それは先の時代AIに負けないような人材、人間形成を育める教育と言われているからです。
これからの時代を生き抜く子どもたちにはとても大切なことです。
今、時代を作っている方達はオルタナティブ教育のモンテソーリ教育を受けた方々が多く存在します。

そこでモンテソーリ教育が注目され、さらにオルタナティブ教育が注目されシュタイナー教育も注目されたのです。
シュタイナー教育のルドルフ・シュタイナーってどんな人?

ルドルフ・シュタイナーは神秘思想家であり、哲学者であり、教育者です。
ルドルフ・シュタイナーはドイツ生まれでゲーテの研究者でもあり、若い頃に世界で注目を浴びたと言われています。
さらにシュタイナーは「人智学(アントロポゾフィー)」という思想を創唱しました。
それからは教育者として多くの執筆や講演を行いシュタイナーの思想を広げられたとされています。
シュタイナー教育とは?【ざっくりわかりやすく解説】

まずシュタイナー教育を学ぼうとすると学びきれません。
その理由は、シュタイナー教育の生みの親であるルドルフ・シュタイナーの全集は全354巻にも及び、シュタイナーに関する書籍はそれ以上になるためです。
ルドルフ・シュタイナーの思想は「人智学」と言い、その範囲は教育だけでなく芸術、医学、宗教、宇宙論、社会論、農学、建築学、経済学など幅広いのです。
人智学?
シュタイナー教育の人智学
ルドルフ・シュタイナーの思想の「人智学」はとても奥深く、学ぼうとすると特殊な用語が多いです。
例えば、人間は「物質体」・「生命体」・「感情体」・「自我」の4つから成り立っていると言っています。
これを理解できますか?
正直できませんよね。
ただこれらを1つ1つ理解するのではなく、「人智学とは人生の目的」を指していると理解してほしいのです。
そしてルドルフ・シュタイナーは「人生の目的」は「自由の獲得」と言っています。
自由の獲得?
シュタイナー教育の最大の目的は「自由への教育」
皆さんは自由を考えた時にどのようなことを思いますか?
「何も縛られない状態」「好き勝手できる状態」こんな感じで思いますよね。
ですがルドルフ・シュタイナーが説く「自由」とは?
人間の思考には「〇〇しなければならない」と「〇〇したい」という思考があるが、シュタイナーはこの両方の思考が一致したときに本来の人間の自由が発揮されると説いています。
「〇〇しなければならない」と「〇〇したい」が葛藤する…。
例えば「テスト前だから嫌だけど勉強をしなければならない」
それが勉強をしているうちに勉強が楽しくなるという経験はあると思います。
これこそが「〇〇しなければならない」と「〇〇したい」の思考が一致したときです。
シュタイナーはその時に人間は幸福になると説いています。
ルドルフ・シュタイナーは将来、子どもがこのような思考が持てる人間形成をするための「自由への教育」としているのです。
ゆっくり時間をかけ「自由への教育」を行い、最終的に「自由を獲得」できる人間に育つように考えられた教育なのです。
奥深く素晴らしい思想です。
シュタイナー教育「7年周期の発達段階」の思想
そこでシュタイナー教育を語る上で重要なのが「発達論」です。
ルドルフ・シュタイナーが考える人間の発達論は3つにわけられます。
人間は「からだ」「こころ」「精神」にわけられるとしており、「こころ」は「からだ」と「精神」を繋ぐ重要な役割と言っています。
この3つが成長することこそが人間の発達ということです。
さらにそこには段階があるとされており7年周期で発達すると考えられています。
- 第1期の発達段階「からだの発達」では0~7歳、7~14歳、14~21歳の3つに分けられています。
- 第2期の発達段階「こころの発達」では21~28歳、28~35歳、35~42歳の3つに分けられています。
- 第3期の発達段階「精神の発達」では42~49歳、49~56歳、56~63歳の3つに分けられています。
この年齢だけ見ても長期の思想だとわかりますね。
シュタイナー教育の「12感覚論」【知っておきたい】
私達は5つの感覚=「五感」で外の世界をとらえています。
まず五感について詳しく知っておきましょう。

ところがシュタイナーの思想では、五感だけでなく12の感覚があると言われています。
シュタイナーの言う12の感覚とは?
触覚、嗅覚、味覚、聴覚、視覚の5つの感覚に合わせ、生命感覚、運動感覚、平衡感覚、熱感覚、言語感覚、思考感覚、自我感覚の7つの感覚を言っています。
この12の感覚にはそれぞれ意味などがあります。
ここでは長くなるのでまた別記事にしたいと思いますのでお待ちください。
シュタイナー教育のデメリット【悪いところ】

早期教育(習い事)を推奨しないのがシュタイナー教育です。
シュタイナー教育は早期教育というより乳幼児期は「からだ」「こころ」「精神」の土台作りを大切にしています。
私の友人の子どもはシュタイナー学校に通っていて、私の息子と同い年で親同士でよく会話するのですが友人は結構悩んでいました。
私の息子は1歳から習い事に通っています。
友人の子も習い事をさせたいと悩んでいる時期がありました。
ですが通っているシュタイナー学校は習い事に対し反対だったのです。
親が子どもに習い事をさせたいという気持ちと、シュタイナー教育学校の方針で悩んでいました。
シュタイナー教育は人間形成を長い目で見る思想です。
シュタイナー教育の思想を守ろうとするあまり、不安や悩みを抱える友人を見ていたらシュタイナー教育を追いかけすぎるのはデメリットにもなり得ると感じた出来事でした。
シュタイナー教育のメリット【良いところ】

シュタイナー教育のメリットは?
シュタイナー教育は自分の自由を獲得するために教育します。
そのことによって自然と主体性が身につき、自分のやりたいことや、好きなことをやり抜く力が育くまれます。
さらに遊びや授業なども「見立てる遊び」や創造力が育まれる内容になっているので芸術性ある感性が育まれます。
自分自身を理解しながら自分がやりたいことを追求できる人間になるのだと思います。
シュタイナー教育のおすすめ本

先ほども言いましたがシュタイナー教育、ルドルフ・シュタイナーの思想「人智学」は非常に難しいです。
関連する著書も多くあり、どれから読めば良いかわかりません。
ですが、シュタイナー教育に興味を持った親に、シュタイナー教育の入門書として誰でも読めてわかりやすいおすすめ本を紹介します。
本を読むのが嫌いな人でも読みやすいです。
シュタイナー教育をおうち(自宅)に取り入れる

シュタイナー教育をおうちに取り入れる?
難しそう…。
確かにシュタイナー教育の全てを取り入れることは難しいでしょう。
ですがシュタイナー教育の思想を取り入れることはできます。
おうちに取り入れられるシュタイナーの思想を紹介します。
生活リズムの重要性
シュタイナー教育の乳幼児期ではリズム(繰り返し)を大切にしています。
繰り返しによって、ものごとの流れが習慣化されたとき、頭で考えずとも体が動くようになり、子どもの心にくつろぎがもたらされると言っています。
繰り返しは「意思」を育てるということです。
習慣化された生活リズムは親の過度な干渉がなくなります。
「早く寝なさい!」「早く起きて!」など乳幼児期からある程度、生活リズムを整えておくと子どもが主体的な意思で行動するようになるのです。
我が家も生活リズムは大切にしています。
夫婦で協力しながら息子は2歳頃から20:30~21:00ぐらいには布団に入り、必ず絵本の読み聞かせをして21:30には就寝して6:00ぐらいに起床します。
このリズムが習慣になっているので息子の就寝に困ったことはありません。
シュタイナー教育が大切にしている遊び
シュタイナー教育が遊びの中で大切にしている事があります。
それは「想像力」です。
さらに想像力を育むのに大切なのは「見立てることができる」ことです。
シュタイナー教育では「見立てることができる」遊びやおもちゃを基本としています。
おもちゃは単純であればあるほど良いと言っています。
自宅ではシンプルなおもちゃを中心に、子どもが「見立てる遊びができる」ようなものを環境に置いておくとシュタイナー教育の思想を意識することができます。
「積み木」はおすすめです。

シュタイナー教育の環境作りを学ぶ
「12感覚論」の説明で少し紹介しましたが乳幼児期の子どもは身体全体が感覚器です。
乳幼児はとくに環境からの影響を直接的に受けるので、刺激の少ない環境作りを心がけるのが良いです。
例えば、雑多なものは片付けたり、布をかけて隠すと良いです。
目移りする刺激も少なくなり散漫にならず心が安定します。
さらに照明は蛍光灯より白熱灯など明るすぎないのが良いです。
間接照明で生活する感じも良いですよ。
我が家はは20:00ぐらいに全て間接照明に切り替えます。寝る時間の合図にもなります。
さらにシュタイナー教育ではメディア(テレビなど)を見せないのが基本です。
我が家もメディアなし生活です。
これは意外とできます。
息子も2歳半まではメディアを見せていましたが。
3歳の息子は2歳半の時に、よくメディアを観たがった。遊ぼ?って言ってもディズニー観たい!その時に夫婦で話し合い、完全にメディアのない生活にした。その効果で遊びの幅も広がり、遊びに対する集中力も増えた。絵本の読書量も倍以上になった。完全?嘘です。息子は自分の動画をニヤついて観てます。
— れんし@積み木っ子の父 (@Rennshi2) February 27, 2021
ですがこのツイートの通り、おうちから完全にメディアをなくしました。
理由はシュタイナー教育の思想もそうですが、おもちゃ遊びの時間が減ったことと、「まだみたい!」が止まらなくなり生活リズムが崩れることが親として嫌だったからです。
いっきにメディアなし生活に切り替えたので最初は大変でしたが、徐々に「見たい!」と言わなくなって3ヶ月ぐらいで全く見たいと言わなくなりました。
今となっては、やってよかったと思っています。
ですがシュタイナー教育の思想をおうちに取り入れて実践しようとすると、必ず出てくる不安があります。
例えば「お家ではテレビを見せない」「おもちゃはシンプルなもの」を意識していた場合、実家に帰ったときなど、子どもが違う環境で刺激(テレビ・ゲーム)を受けたとき、その刺激(テレビ・ゲーム)を子どもが求めるようになってしまうのではないかと思いませんか?
それについて息子の経験をもとに話します。
お家でのスタイルやリズムの習慣があれば子どもは戻ります。
息子はどんな環境に行ったとしても、自宅での環境が好きみたいでした。
テレビを見たい!とも言わなかったですし積み木で毎日遊んでいました。
シュタイナー教育を受けた有名人はどんな人がいる?

世界でシュタイナー教育を受けている有名人は多くいます。
ここではあまり詳しく紹介しませんが、皆さんが知っているであろう2人を紹介します。
- 斎藤工【日本が誇る俳優】
- サンドラ・ブロック【世界が誇る女優】
どちらも皆さんが知っている方だと思います。
シュタイナー教育で育まれた感性を武器に幅広い活躍をしています。
シュタイナー教育は俳優さんだけ?
そんなことはありません!
まだ数多くの有名人はいますが、皆さんが知る代表的な有名人をあげさせて頂きました。
日本のシュタイナー教育学校・幼稚園まとめ

世界では1100校以上シュタイナー教育学校は存在します。
幼稚園に至っては世界で1800園以上です。
1919年に世界で初めてドイツにシュタイナー教育学校が誕生しました。
そして今なお世界中で増え続けています。
これらの情報は2019年調べです。
それぞれの学校のスタイル、ホームページからでも自然や芸術を意識した教育方針がわかります。
【まとめ】シュタイナー教育の素晴らしさ

ルドルフ・シュタイナーは言っています。
「全ての教育は自己教育である」
人は自分で自分を教育することしかできないという思想で、教師や大人、親ができることは「子どもの環境としてあること」だけ。
子どもがより良く自己教育を行うために環境を用意してあげることが最良と言っています。
ここだけではシュタイナー教育を全て語れませんが、少しでもシュタイナー教育の概要をつかめればと思います。
そんなシュタイナー教育を子どもに受けさせたい!
シュタイナー教育をおうちに取り入れたい!
という親御さん向けの内容になったと思います。
取り入れれる部分だけ取り入れて自分たちの自己教育に役立てて下さい。

シュタイナー教育を知りたい方はこちらの本がおすすめです↓
マンガメインでわかりやすいです。
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